外反母趾
外反母趾とは、足の親指の付け根の骨が変形し,外側に突き出た状態をいいます。曲がりがひどくなると、足が痛くて歩けなくなったり、変形して靴がはけなくなったりします。土踏まずのアーチも減少し,扁平足になり、突き出た部分が靴などで刺激され,炎症や痛みを起します。早いうちに対処すれば痛みは和らぎますが、ひとたび外反母趾になると、痛みが軽くなっても、指の曲がりは歩くだけで自然にしんこうして変形がひどくなります。
外反母趾の症状
ハイヒールやサイズの合わない靴をはき続けることなどが原因と考えられていて、圧倒的に女性に 多いのが特徴です。痛風や慢性関節リウマチにも見られる変形のため、鑑別診断が必要で、重症の場合は手術を要します。外反母趾かどうかは、親指の曲がった角度で決まります。外反母趾角は5〜8度が正常で、15度以上は外反母趾と診断されます。
外反母趾の分類
外反母趾の進行は可逆期、拘縮期、進行期、終末期に分類されます。可逆期は、足の親指が外側に曲がっていても、靴を脱いだり、マッサージした場合にもとに戻る状態をいいます。拘縮期は、関節の炎症等が起こり靭帯などが固まってしまい縮んで元に戻らない状態です。進行期は、足指の曲がりが自然に進行し、普通に歩いたり、立っているだけでより外側に曲がって行く状態をいいます。終末期は、親指が他の指に重なり、親指の関節が脱臼したような状態です。
外反母趾の治療
外反母趾の治療法は保存療法が中心になります。炎症などで痛みがあるときは薬物療法で痛みを緩和させ、塗り薬や湿布で炎症を鎮めます。装具療法は、痛みをやわらげるパッチを親指のつけねにはったり、ガーゼなどを指の間にはさんだり、矯正用装具で指の曲がりを矯正します。ハイヒールなどの先細の靴をはかないようにして、足の指が窮屈にならない靴を選ぶようにします。外反母趾用の靴には厚い中敷きを入れたりするので、一般の販売店で売られている靴ではサイズが合いません。病院や専門の靴店で整形靴を作ってもらうようにしましょう。どうしてもハイヒールをはく必要がある場合は、直前で履き代えるようにして下さい。
外反母趾の手術
保存療法でも症状が改善されず、外反母趾が悪化していく場合は手術をすることになります。手術は全身麻酔又は腰椎麻酔でおこなわれ、2〜3時間程度で終わります。入院日数は1〜3週間、手術費用は入院日数や入院料、差額ベット代などによっても違いますが、健康保険(3割負担)を使い片足で10万〜20万円ぐらいです。