病気ネットナビ

ネフローゼ症候群の症状や治療法などについて詳しく掲載しています。

ネフローゼ症候群とは

ネフローゼ症候群とは、腎臓病の1つで、蛋白尿、低蛋白血症、高コレステロール血症、浮腫(まぶたや手足のむくみ)を生じる病態です。1905年Fvonミュラーが腎臓疾患を炎症性疾患と尿細管の変性疾患に大別し、後者をネフローゼと呼びました。
ネフローゼ症候群は尿をつくる腎臓の糸球体が何らかの原因で損傷して、そこから血清タンパクがもれだして尿とともに排泄されるために起こります。また、顔や手足に浮腫ができる、胸水、腹水がたまる、尿の出が悪くなり、腎機能の障害、血圧の低下を認めることもあります。。糸球体基底膜の高分子蛋白の透過性亢進により高度の蛋白尿が認められ、このため低蛋白血症となります。浮腫の原因としては、大量の蛋白尿喪失による血漿膠浸透圧の低下や循環血漿量の増加などが考えられています。腎臓機能の低下が進むと尿毒症の症状がでてきます。
ネフローゼ症候群は,原因の不明な特発性ネフローゼ症候群と,糖尿病などの全身性疾患や感染症,薬物,アレルギーなどによって,糸球体の機能が障害されて起こる二次性ネフローゼ症候群とに大別されます。

ネフローゼ症候群の治療法

一般には安静と食事療法、薬物療法が中心となり、食事は低塩高タンパク食が基本となります。二次性(続発性)のものは原因疾患の治療を行います。小児ネフローゼ症候群の場合も治療法は成人とほぼ同じになります。
ネフローゼ症候群の原因には免疫異常がかかわっていることが多く、薬物はステロイド薬や免疫抑制薬などがつかわれる。ネフローゼ症候群の薬物療法では、主に副腎皮質ステロイド剤、免疫抑制剤、抗血小板薬を使用します。病態によっては、副腎皮質ステロイド薬が無効な場合があります。 浮腫に対しては利尿剤を使用し治療します。また、蛋白尿が多い時には厳重な安静が必要です。
ネフローゼ症候群の食事療法は、飽和脂肪とナトリウムを少なくした食事が基本となります。また、タンパク質を摂取しすぎると、尿中のタンパク質濃度が高くなるので、腎機能の程度によって制限を行 う場合もあります。蛋白尿が多い時には厳重な安静、減塩・低蛋白食が大切です。また、感染症は命にかかわる可能性があるので、すみやかに治療する必要があります。