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変形性膝関節症の原因や症状、治療法について詳しく掲載しています。

変形性膝関節症とは

骨と骨が連結している部分が関節で、骨同士のぶつかり合いによる摩擦を和らげるために関節軟骨で覆われています。脚の筋肉が衰えると、大きな膝関節でも身体をきちんと支えきれなくなり、重みを受ける部位が不安定になり、関節の内側などに余計な負担をかけることになります。その結果老化で弱っている関節軟骨の一部がすり減って、痛みが生じるようになります。これが変形性膝関節症と呼ばれています。
変形性膝関節症は、女性に多いといわれています。これには肥満が関係していて、女性は更年期といわれている40代以降になると、卵巣機能が低下するため、ホルモンバランスの調整機能が崩れ太りやすくなります。女性の膝は、男性よりも細くできていて、筋力も男性のように強くありません。中年以降に太ると、その細い膝で全体重を支えなくてはならないため、関節軟骨もすり減りやすくなります。

変形性膝関節症の原因

変形性膝関節症の原因は、年をとるとともに関節を使いすぎることによって起こるものと、関節の外傷などによって関節面がずれたためにおこるものがあります。静かに進行する変形性膝関節症は、最初は無症状で、やがて次のような症状が現れるのが特徴です。朝起きて動こうとすると膝がこわばる。正座をしようとしたときに、膝に軽い痛みを感じる。坂道を歩くとき、膝が重く感じる。立ち上がろうとしたとき、膝が動かないことがある。この段階での痛みはそれほど強くはなく、短期間で解消しますが、何度か繰り返すうちに病状が悪化していくと、痛みは簡単に治まらないほど強くなり正座ができない、脚がO脚になるなどの症状がでてきます。

変形性膝関節症がかなり進んだ状態になると、さらに痛みが増し膝の周辺が腫れ、膝に水がたまるといった症状がでてきます。日常生活にも影響がではじめ、階段の上り下りばかりか歩くことさえ苦痛になり、外出することもおっくうになってきます。また、O脚の度合いが強くなり、ひと目で膝が悪いことがわかるほど関節が変形してきます。膝に痛みがあると、膝をかばうあまり動かさなくなり、筋力や脚力が衰えて病気をしやすくなります。一度寝込んでしまうと、弱っていた脚の筋力が衰弱してしまうため、病気が治っても以前のような生活に戻ることは難しくなり、寝たきり老人の予備軍になってしまうのです。

変形性膝関節症の治療

症状の進行度や痛みの程度によって異なりますが、炎症を鎮め、痛みを抑えるための薬物療法、痛みを緩和するための温熱療法と冷却療法、筋力を強くするための運動療法などがあります。膝の痛みが激しく、歩くのもつらいような場合は、薬物療法とともに、赤外線や電気などを患部にあてる温熱療法を併用して痛みを取り除きます。痛みが軽くなったら、太り気味の患者さんには栄養指導などの食事療法や脚力を鍛えるための運動療法を行います。運動をすることによって血行をよくし患部を温めて痛みを緩和させ、脚の筋肉を鍛え、膝にかかる負担を軽くします。これらを実行するだけで、痛みがしだいに解消されます。
以上のような保存療法で改善が得られない場合には手術が選択されますが、手術までするケースはそれほど多くはありません。変形性膝関節症は、老化による関節の変化が主要原因なので保存療法を継続して行うことで状態が改善に向かいます。