病気ネットナビ

肺がんの症状や治療方法などについて説明しています

肺がん

日本人の死亡原因の第1位が、がんになったのは1981年で、それ以降がんによる死亡者数は増え続け、そのなかでも増加が目立つのが肺がんです。1993年には、がんによる死亡者数(男性)で、肺がんが胃がんを抜いてトップになりました。女性の場合も、胃がん、大腸がんに次いで第3位となっています。実は、胃がんの患者数は肺がんの患者数よりも多いのですが、肺がんに比べ治癒率が高いので、死亡者数では肺がんよりも少なくなっているのです。

肺がんは、現在でも早期発見が難しく、有効な治療法が少ないことから、胃がんほど治癒率が高くないのです。肺がんが治りにくいのは、自覚症状が乏しく、発見されたときには病状がかなり進行していることがあげられます。また、肺がんは他のがんに比べ進行が早く、他の部位に転移しやすいという特徴があります。血液は必ず肺を通り、心臓へ戻り、そこから全身に送り出されます。つまり、からだ中の血液が集まり、出て行くところに肺があるのです。そのため血液の流れに乗ってがん細胞が全身に広がりやすいといったことから、他のがんに比べ進行が早くなってしまうのです。

肺がんと喫煙

肺がんの発生は、喫煙の習慣が大きく関係していると考えられています。調査では、喫煙者は非喫煙者に比べ、肺がんによる死亡率が4倍、喉頭がんでは20倍にもなるという結果が出ています。しかも、たばこを吸っている本人だけではなく、副流煙(タバコの先から出る煙)を吸った人も、肺がんになる危険性が高くなります。このように見るなら、肺がん予防は禁煙が第一ということになるでしょう。タバコの他に、大気汚染も肺がんの原因の一つと考えられています。また、職業上、気道に刺激を与える薬剤などを扱っている人も、肺がんに罹患する率が高くなるといわれています。

肺がんの症状

肺がんは、発生した部分によって症状のあらわれかたに違いがあります。肺の入り口付近にできたがんは、咳や血痰などが出やすいのですが、肺の奥にできた場合には、ほとんど症状がなく、がんが進行して肺以外の臓器に転移したりすることによって起こる症状があらわれて、はじめて肺がんが発見されるということもあります。咳、痰、血痰、胸の痛み、背中の痛み、声のかすれ、食物が飲み込みにくい、頭痛、嘔吐などの症状が複数あらわれたら専門の病院で検査を受けて下さい。

肺がん治療

肺がん治療は、肺がんのタイプや進行度合いによって異なり、各種の治療法は単独で行うのではなく、 併用して行う場合もあります。

局所療法
病巣が限られた範囲にとどまっている場合に、肺がんそのものに攻撃の的を絞った療法で、外科手術やレーザー治療、放射線治療、化学療法などがあります。

全身療法
病巣がいくつか存在し、全身にがんが散らばっている可能性が高い場合に行われる治療法です。抗がん剤などの化学療法、放射線療法が中心となります。